釜石漁師のみんなの家プロジェクト

津波による大きな被害を受けた岩手県釜石市新浜町に仮設で再開している水産加工組合があります。決して十分とは言えないスペースで営業などを行っており、魚連同士、魚連と住民、魚連と観光客等が交流できるコミュニティ施設がなく困っています。そこで「釜石漁師のみんなの家」を提供するとともに、将来的に水産業の発展や新たな雇用の創出を目指す仕組みを住民・漁業関係者らと一緒に考えていきます。

活動

2013.11.25

地元の方と、ストーブ等の設備を提供して下さった方が集まり、利用に関しての説明会を行いました。最後に大谷石の囲炉裏を囲み、釜石のおいしい魚介を食べながら竣工パーティーを行いました。これからも、こんな風に楽しみ、愛されながら使ってもらえる場所に育っていってほしいと思います。

 

2013.09.29

スタッフ2名が残り、建物の手直しと片づけをするため朝早く敷地へ行くと・・・なんと目の前で、気球体験のイベントが行われていました。もちろん我々も搭乗。上から見下ろすみんなの家も、周囲の山々と海と相まって、良い感じです。イベント主催者は、釜石市と姉妹都市の横手市の気球チームの方々でした。

 

2013.09.28

建築家の伊東豊雄さんと構造設計家の佐藤淳さん、当団体代表の山下と各担当スタッフが釜石に集まり、竣工チェックを行いました。丁度この日は伊東さんが主宰する伊東建築塾の「みんなの家ツアー」の日でもあり、沢山の方が竣工した新たなみんなの家を見に来て下さいました。

 
2013.09.27

ご協力頂いているSAHIの田中潤さんから鍛鉄小物が届き、早速取付けを行いました。鉄の町に、鉄の小物。正面の手作りの看板、いかがでしょうか?こちらの看板は、実は山下が書いた文字を元に作っていただきました。
蜜蝋を使用しマットな黒色に仕上げられ、釜石漁師のみんなの家の雰囲気にとてもよく馴染んでいるように思えます。魚焼き串やフックなども作っていただきました。

 
2013.09.18

本日も鵜住居にて杉皮むきです!今回も晴天に恵まれました。

一方、釜石漁師のみんなの家建設現場では、照明がつき、家具が置かれ、建具が取り付けられ、だいぶ完成に近づいてきました。何日もかけてむいた杉皮が屋根に葺かれています。かつては社寺や家の門の屋根などによく見受けられた杉皮葺きですが、近頃ではめったにその姿を見ることはありません。なんとなく懐かしい、温かみのある屋根になりました。

 
2013.09.14

台風が迫っている中、土壁の上塗りを行いました。グレーの壁に、内壁は珪藻土の漆喰を、外壁には黄色がかった土をコテで塗っていきます。上塗りが最終仕上げとなるため、みなさん真剣です!台風で台無しにならないといいのですが・・・あいにくの雨です。
風雨が強まってきたため早めに切り上げ方付けをしていると、なんと現場に鹿が来てくれました。現場で作業をしていると、散歩をしているご夫婦や近所の漁協の方など、いろんな方が様子を見に来てくださったり、声を掛けて下さいます。20代の若い人が何人も集まっている光景が、地元の方にとっては新鮮だそうです。気軽に人が集まれる、地方が活気づく拠点となってほしいですね。

 
2013.09.11

土壁の下塗りの乾燥を待つ間に、現場を少し離れ、鵜住居の釜石地方森林組合の敷地をお借りして杉皮むきワークショップを行いました。8月初旬にも行いましたが、屋根に使用する杉皮は母屋とバーレーン両方合わせて、なんと約2500枚にも及びます。そのため、残暑厳しい中、まだまだ足りない分の杉皮を、手作業でむかなければなりません。杉皮は、はがれやすいポイントを発見すれば綺麗にむくことができ、むいたばかりの杉の丸太はツルツルとして肌触りがよく、とても良い香りがします。丸太から、ヘラやのこぎりを使い、皮を切り出していくのは意外に体力のいる仕事ですが、ボランティア同士で声を掛け合い、楽しみながら作業を行いました。湿っている丸太ほどむきやすいのですが、幸か不幸か、杉皮むきワークショップの日は毎回晴天に恵まれています。

 
2013.09.08

いよいよ下塗り開始です!数ある施工ワークショップの中でも、左官体験は特に人気があります。材料を協賛してくださっている渋谷製作所の渋谷さん指導の元、雨の中一生懸命作業し、なんとか工程内で塗り終えることが出来ました。下塗りを終えると、一週間ほど乾燥させてから上塗りをします。乾かないうちに上塗りをしてしまうと、表面がひび割れやすくなってしまうためです。今だけ、グレーの外観となり、まるでコンクリートのようにも見えます。

 

2013.09.06

9月8日から始まる土壁塗りワークショップに向け、スタッフ&ボランティアの学生4名で早めに釜石入りし、土の運搬を行いました。釜石漁師のみんなの家では、内壁の下塗り・外壁の下塗りと上塗りに地元の土を使用しています。下塗り用には採砂場の廃粘土を用い、上塗り用の土は住民の方の所有地からご好意でおすそ分けしていただきました。
黄色味がかった、懐かしい趣のある壁が出来上がる予定です。

 
2013.08.24

上棟式を行いました。 釜石の皆さん、九州大学、愛知淑徳大学、横浜国立大学、宮城大学、伊東建築塾の学生さん、遠野まごころネット、東北開墾、伊東豊雄建築設計事務所+TeMaLiアーキテクツ、総勢50人が集まりました。

式の後は漁協婦人部によるサンマのすり身汁とイカさし、若手運営メンバーによる海の幸のバーベキューが振舞われました。9月28日(土)は竣工式を迎える予定です。

 
2013.08.09

8月2~3日の2日間、岩手県釜石市鵜住居町にある釜石地方森林組合の場所をお借りして、屋根に使う杉皮むきワークショップを行いました。

渋谷製作所の渋谷さん指導のもと、釜石にお住まいの方10名、東北大学と横浜国立大学の学生9名、伊東建築塾の塾生1名、NPO東北開墾1名、伊東事務所+TeMaLiアーキテクツ3名が参加して、暑い中杉丸太の皮を剥ぎました。

当初、杉皮は津波を被った塩害木を使う予定でしたが、切ってから 時間が経っているため人の手で皮を剥くことができませんでした 。 そこで切ったばかりの木の中で、通常は切り捨てられる「あて」の部分と細胞が異なり加工がしにくい根元部分の皮を使うことにしました。