土の集会所プロジェクト

歌津・戸倉で培ったノウハウを活かし、津波によりもたらされた塩害土を使って、地域の人が集い語らう場所をみんなで創るプロジェクトです。

※このプロジェクトでは、クライアントを募集しています。
  お問い合わせはこちらまで

概要

土の構造体

この建物は、土を構造体とした建築です。粘土質の土を主原料とし、海水から採取可能な酸化マグネシウムと水を加え圧縮しブロックをつくり、3週間自然乾燥させます。すると、酸化マグネシウムと水が化学反応を起こし、水酸化マグネシウムができるときに土の粒子を囲い込むことで強度が発現します。その後空気中の二酸化炭素と反応し、マグネサイト鉱物に近い組成へと反応を徐々に進めていきます。これは、素材が劣化するのではなく、年月を経ることで、硬化が進み強度を増すという新しいアイディアの建築です。

 
コミュニティの
生まれる場をつくる

震災後はインフラや住居など生活に必要なものから優先的に整備されていき、集会所等のコミュニケーションの場の復興は遅れがちです。土の集会所は、材料となる土は世界中豊富にあり、特殊な加工技術を必要としない構法であるため、誰でもつくる段階から参加することができます。また、津波による海水を被った土壌から建築を作ることができるため、世界中の沿岸部で起こっている災害への対策としても応用可能です。

 
環境負荷の少ない
サステナブル建築

この構造体は、土ブロックと土の目地材で構成されます。ブロックの型は、非常にシンプルな加工であり、生産時のCO2排出量が少なく、添加物である酸化マグネシウムは海水やマグネサイト鉱石から取れるため、世界のどこでも手に入れることが可能です。土や酸化マグネシウムは、100パーセント自然由来の循環型素材であり、環境負荷を与えずに建築を土に還すことができます。また、この土ブロックは蓄熱性能や調湿性能も兼ね備えており、熱容量が大きいために、この土ブロックでできた建築の中は夏涼しく冬は暖かく保たれます。